「なぜ、あの人は失敗してもまた挑戦できるのか?」
「なぜ、自分はやるべきことが分かっているのに、なかなか行動できないのか?」
経営をしていると、こうした疑問を感じることがあります。
新しい事業。
採用。
値上げ。
組織改革。
新サービスへの投資。
どれも、やれば必ず成功するとは限りません。
だからこそ、経営者には「不安がなくなってから動く」のではなく、不安や迷いがあっても必要な行動を選ぶ力が求められます。
その土台になるのが、
- 小さな成功体験
- 自己効力感
- 感情のコントロール
- 挑戦する習慣
です。
この記事では、中小企業経営者やリーダーが、なぜ挑戦を続けられる人とそうでない人に分かれるのか、その違いを実践的に解説します。
成功体験が「自分ならできる」という感覚をつくる
人は、過去にうまくできた経験があるほど、
「次もできるかもしれない」
と思いやすくなります。
これを、仕事の中では「自己効力感」と捉えることができます。
自己効力感とは簡単に言えば、
「自分なら、この課題に取り組める」
という感覚です。
たとえば、
- 初めて部下を育成できた
- 新規顧客を獲得できた
- 苦手だったプレゼンをやり切った
- 赤字事業を改善できた
- 新しい仕組みを定着させた
といった経験です。
こうした成功体験が蓄積されると、未知の課題に対しても、
「前にも乗り越えたから、今回もやってみよう」
と思いやすくなります。
大きな成功より「小さな成功」の積み重ねが重要
ここで大切なのは、最初から大きな成功を目指さないことです。
いきなり、
「会社を10倍にする」
「新規事業を成功させる」
という目標だけを見ると、行動する前に圧倒されてしまうことがあります。
そのため、目標を小さく分けます。
たとえば新規事業なら、
- 顧客10人にヒアリングする
- 仮説を1つ作る
- 小規模なテスト商品を出す
- 最初の1件を販売する
- 改善する
というようにします。
一つずつクリアすることで、
「できた」
という経験が増えます。
この小さな成功体験の積み重ねが、次の挑戦への自信につながります。
行動を止めるのは「能力不足」だけではない
経営者が挑戦できないとき、
「自分には能力がない」
と考えてしまうことがあります。
しかし実際には、能力よりも感情が行動を止めていることがあります。
たとえば、
- 面倒くさい
- 失敗したくない
- 恥をかきたくない
- 今のままの方が楽
- 批判されたくない
- 結果が出なかったら怖い
といった感情です。
これらの感情が生まれること自体は自然です。
問題なのは、
感情にそのまま行動を決めさせてしまうこと
です。
「自己感情のコントロール」とは何か
自己感情のコントロールというと、
「感情を消す」
「弱音を吐かない」
という意味に聞こえるかもしれません。
そうではありません。
重要なのは、
感情を認識したうえで、自分にとって必要な行動を選ぶこと
です。
たとえば、
「今日は面倒くさい」
と感じても、
「でも30分だけやる」
と決める。
「失敗するのが怖い」
と思っても、
「まずは小さく試す」
と行動する。
これが自己感情をコントロールするということです。
「努力とは自己感情をコントロールした量」と考える
元の記事には、
「努力とは自己感情をコントロールした量」
という考え方があります。
この表現は、経営や人材育成にも応用できます。
努力とは、ただ長時間働くことではありません。
- 面倒でも必要な仕事をする
- 苦手でも練習する
- 不安でも一歩踏み出す
- 学び続ける
- 改善を続ける
こうした行動を積み重ねることです。
その結果として、
- スキル
- 知識
- 経験
- 成功体験
が増えていきます。
そして、それらが「自分ならできる」という感覚を支えます。
「ポジティブだから挑戦する」のではなく「挑戦するから自信が生まれる」
よく、
「もっとポジティブにならないと」
と考える人がいます。
しかし、最初から前向きな気持ちになる必要はありません。
むしろ、
小さく行動する → 経験が増える → 少し自信がつく → 次の挑戦ができる
という順番の方が現実的です。
つまり、
ポジティブだから挑戦できるのではなく、挑戦して成功体験が増えるから前向きになりやすい
とも考えられます。
経営者が挑戦できなくなる3つの理由
1.失敗を「自分の否定」と捉える
失敗すると、
「自分は経営者としてダメだ」
と考えてしまう場合があります。
しかし、本来は、
「今回の方法がうまくいかなかった」
だけかもしれません。
失敗と自己価値を分けて考えることが重要です。
2.完璧を求めすぎる
100%成功する保証を求めると、行動できません。
経営には不確実性があります。
だからこそ、
「小さく試して修正する」
という考え方が有効です。
3.挑戦の単位が大きすぎる
「成功するか失敗するか」の二択にすると怖くなります。
行動を細かく分解することで、心理的な負担を下げられます。
挑戦を続ける経営者の5つの習慣
1.目標を小さく分ける
大きな目標を、今日できる行動まで分解します。
2.行動を先に決める
気分が乗ったらやるのではなく、
「毎週月曜9時に30分取り組む」
など、時間を先に決めます。
3.できたことを記録する
達成したことを記録すると、成功体験を認識しやすくなります。
4.失敗を振り返る
失敗したら、
「何が悪かったか」
「次は何を変えるか」
を整理します。
5.挑戦する環境をつくる
一人で続けるのが難しければ、
- 仲間
- 上司
- コーチ
- メンター
- 経営者コミュニティ
など、行動を支える環境を作ります。
スタッフ育成にも「小さな成功体験」が重要
この考え方は、経営者だけではありません。
スタッフ育成にも活用できます。
成長してほしい社員に、いきなり難しい仕事だけを任せると、
「自分には無理」
という感覚が強くなることがあります。
そこで、
- 小さな目標
- 適度な難易度
- フィードバック
- 成功の確認
を繰り返します。
すると、
「自分にもできる」
という感覚が育っていきます。
人材育成では、能力を教えるだけでなく、自信を育てる設計も重要です。
「できない理由」より「できる条件」を考える
挑戦するとき、
「できない理由」
はいくらでも見つかります。
- 時間がない
- 人がいない
- お金がない
- 経験がない
- 市場が厳しい
もちろん、本当に制約がある場合もあります。
しかしそこで止まるのではなく、
「では、何があればできるのか?」
と考えます。
たとえば、
「予算がない」
→ 小規模で試せないか?
「人がいない」
→ 外部パートナーを使えないか?
「経験がない」
→ 経験者に聞けないか?
問題を否定するのではなく、実行条件へ変換することが重要です。
変化のないところに成長は生まれにくい
会社が成長するためには、何かを変える必要があります。
- 新しい顧客に挑戦する
- 新しい商品を試す
- 仕事のやり方を変える
- 人材育成の方法を変える
- 経営者自身が学ぶ
今までと同じ行動だけを続けて、今まで以上の結果を求めるのは難しいものです。
だからこそ、
挑戦なくして成長なし
という考え方には意味があります。
ただし、無謀な挑戦をする必要はありません。
小さく試し、学び、改善しながら進むことが重要です。
挑戦を始めるための7つの質問
行動できないときは、次の質問を使ってみてください。
- 今、自分は何を怖がっているのか?
- 最悪の場合、何が起きるのか?
- 小さく試す方法はないか?
- 今日できる最小の行動は何か?
- 誰に相談すれば前へ進めるか?
- 過去に似た困難を乗り越えた経験はないか?
- 1か月後、何ができていれば前進と言えるか?
漠然とした不安を具体的な行動へ変えることができます。
まとめ|自信は「行動した後」に育つ
挑戦できる人は、最初から不安がないわけではありません。
怖さや迷いがあっても、
必要な行動を選び、小さな成功体験を積み重ねている
という違いがあります。
その積み重ねによって、
- スキル
- 知識
- 経験
- 自己効力感
が高まり、次の挑戦がしやすくなります。
だからこそ、
自信がついてから行動するのではなく、行動することで自信を育てる。
この順番が重要です。
まずは今日、
「今の自分でもできる、小さな一歩は何か?」
を考えてみてください。
その一歩が、次の成功体験につながります。




